地下水のヒ素
地下水のヒ素
経口摂取されたヒ素化合物の吸収のされ方は、その物理的状態や、溶解性、胃酸のpH、また腸内細菌叢等に影響を受け、一旦吸収されたヒ素は、神経組織、血管、肝臓、腎臓、その他の組織の細胞に障害を与えます。
<急性中毒> 急性中毒の場合は通常は摂取後1時間以内に起こるが、ときには数時間たってから発症することもあります。重症患者の場合は、にんにく臭い呼気と排泄物から、この中毒が疑われます。 腸管系の影響としては、口腔、咽頭、喉頭に炎症を起こし、焼けるような腹痛、口渇、嘔吐、米のとぎ汁のような下痢あるいは、血性の下痢を起こします。 腎臓の障害によるものとしては、蛋白尿、血尿、糖尿、その他が起こります。中枢神経系では、頭痛、目眩、脱力、錯乱、昏睡、痙攣などが起こり、心血管系では、ショック、チアノーゼ、不整脈が起こり、造血組織も破壊され、1~3日以内に死亡することが多い。
<慢性中毒> 繰り返し摂取した場合には、症状がはっきりと出ないので、診断が難しい。 皮膚では角化症、色素沈着などが起こり、顔面やまぶた、くるぶしなどに皮下浮腫が起こり、爪に白い線状ができ、また、爪や頭髪が脱落することもある。口内炎、食欲不振、体重の現象は、よく見られる。知覚異常、疼痛、麻痺、運動失調など、末梢神経の異常もよく見られる。肝臓の障害では、肝臓の肥大、黄疸が見られる。その他には、心電図の異常、貧血、白血球減少症、血小板減少症が見られます。 また、多量のヒ素を長期にわたって摂取した場合には、皮膚癌を起こし、肺癌の発生率を高くし、まれに、眼筋麻痺や慢性頭痛、言語障害など、脳の障害による症状を起こすことがあります。 適切な治療が施されないときは、次のような後遺症がおきる可能性があります。
先天異常 ……… ダウン症候群
神経系 ……… てんかん・精神薄弱・ポリオ様麻痺
呼吸器 ……… 副鼻腔炎・鼻炎・慢性扁桃炎
消化器 ……… 肝障害の疑い・歯列不整
血液 ……… 貧血
感覚器 ……… 眼屈折異常・神経性難聴・耳管閉塞・神経性耳鳴り
皮膚 ……… 湿疹その他の皮膚疾患
その他 ……… 起立性調節障害
軟水器・軟水機のアクアライフ